MusignyBlancがつれづれなるままに書きなぐる備忘録


by MusignyBlanc
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ドラマ版 神の雫

神の雫がドラマ化されたので、楽しみにしていました。
第二話まで見たのですが、う〜ん、正直がっかりですね。
物語が単純化されていて面白くなくなっている、というのもありますが、それよりも、このドラマから、「ワインに対する愛」のようなものが、イマイチ感じられないんですよ。

ストーリーがつまらないのはまだ許せるんですがね。
別のところで、どうにもストレスがかかります。

使徒の数が12から6へと減らされていたのは、短期間に終了しなくてはならないドラマの必要悪か。まあ、これはご愛嬌。。。
キリスト教徒から見たら、12使徒が6に減らされているのは冒涜だ、などと思うかもしれないけれども。。。。

私も、いちいち原作を読み返してチェックしているわけではないので、誤りも多いかもしれませんが、でもおかしいなあと思った点を列挙すると。。。。



まず、変なところ、その1。
グラスの形。

このドラマでは、ブルゴーニュもボルドーも、全部同じグラスで飲まれている。
あんなグラスでは、ブルゴーニュの香りは楽しめない。あのグラスは、上の部分が狭まっていないから、肝心の香りが逃げてしまうと思うんですよね。もったいない。撮影の都合で、一種類にした、なんてのは、まったくもってワインに対する冒涜だと思うけどなあ。。。

例えば、第一の使徒は
Chambolle Musigny Les Amoureuses 2001
ですけれども、こんな素晴らしいワインを、ブルゴーニュグラスでない適当なグラス(このドラマでは、ボルドー赤も、ブルゴーニュ赤も、白も同じ中途半端なグラスで飲んでいました)で味わっていました。それでは、そのワインのポテンシャルを引き出してあげられない訳ですから、ワインに対して失礼だと思うんですよ。

もちろん、町の場末のレストランとか、素人の自宅の場面とかであれば、そういうことは十分あって良いのですが、一流のレストランやワインのプロの家(神咲豊多香の自宅)の場面とかでは、そういうことはあり得ないはずです。

少しでもワインに対する愛情のある人が作っていたら、ああいう状況があまりにも不自然であることはわかるはずなんだけれどもなあ。。。

シャトー・ムートンを飲む場面でも、あの変なグラスが使われていましたね。もったいない。。。。

実際に、原作の漫画の中では、ボルドーにはボルドーグラスが、ブルゴーニュにはブルゴーニュグラスが、きちんと使われています。作者の、ワインに対する愛が伝わってきます。

このドラマは、ワインが主題であるはずなので、ワインのプロの監修を受けているんだろうとは思いますが、それにしてもあまりに杜撰。見ていてストレスが溜まりました。

(もちろん、味を楽しむという目的ではなくて、正確に同じ条件でテイスティングする、という目的であれば、INAOのテイスティンググラスでも、ストーリー的にはOKではあります。確かに、実際に、このグラスが出てくる場面は何回かあったような。。。。)



つぎに、その2。
ロベール師匠のところに、ヴィンテージについて学びにいった場面。。。
第一の使徒の畑が、Les Amoureuses(レザムルーズ)であることはわかったが、そのヴィンテージがわからないという状況でした。

ここでロベール師匠が提供したのが、Chateau Talbot (シャトー・タルボ)!。
ブルゴーニュワインのヴィンテージを学ぶのに、なんでブルゴーニュでなくて、ボルドーを使うのか。なんで、シャトー・タルボなのか?

タルボをいくら並べて飲んでも、どうして使徒のヴィンテージが2001年なのか、わかるわけがない。

あの時点で、使徒のアペラシオン(畑)がレザムルーズであることがわかっていたのならば、少なくともブルゴーニュの赤のいくつかのヴィンテージを垂直に飲まなくては、話の整合性がつかない。

原作では、そこはちゃんと考えてあって、ロベール師匠が飲ませてくれたのは、ブルゴーニュの赤ワインであるBonnes Maresボンヌ・マールだった。造り手は、ロベール・グロフィエRobert Groffierで、1999と2001が提供されていた。。。この飲み比べて、神咲雫は、使徒のヴィンテージが2001であろうと気がついた、というわけです。

あと、不思議だったのが、遠峰一青が使徒として持ってきたワインのヴィンテージが原作と同じ1999年ではなくて、2002年であったということ。確かに、2002年も良年なのでストーリー的には問題ないのかもしれないが、ヴィンテージの特徴からすると、ストーリーにより合うのは1999年であるような気がするのだが。。。まあ、これはそんなに大きな問題ではない。


その3。
神咲豊多香の第一の使徒に関する記述と、ほぼ同じ光景を描いた絵画で暗示されたワインを探す場面について。サオリという女性のためにそのワインを探し当てた。それが、レザムルーズだったわけですが。。。

ドラマでは、そのワインの造り手はロベール・グロフィエRobert Groffierだった。ピンボケだったので、ヴィンテージは不明。

この場面を見ていた時に、私は
「原作では、ジョルジュ・ルーミエが使徒なのに、ドラマではグロフィエになっているのか」
と不思議に思ったものです。でも、
「実際には、ルーミエが手に入りにくいから、撮影のために、ドラマではグロフィエにしたのか?。グロフィエも素晴らしい造り手だから、ストーリーとしては、まあなんとか通用するかな。ただし、グロフィエの方が無骨なイメージがあるけれども。」
などと、少し納得もしました。

でも。。。。

遠峰一青との対決の場面で、二人が持ってきたワイン、そして第一の使徒の当たりのワインはいずれも、ジョルジュ・ルーミエのレザムルーズでした。

なんで????

遠峰一青ならまだしも、ワインの知識が全くない神咲雫が、何の経験も無くていきなりルーミエを当てるなんてことができるわけがない。そもそも、そんな造り手がいるということも知らないはずです。サオリのところで飲んだワインがグロフィエならば、使徒として持っていったワインもグロフィエであるはずでしょう。ルーミエに変えるのなら、それ相応の理由が必用であるはずですが、ドラマでは何にも描かれていない。

原作では、有名なワインコレクターでもある音楽家が、たまたま神咲雫がソムリエの手伝いをしていたレストランで、偶然にもルーミエのレザムルーズを開けてくれたので、神咲雫が使徒のヒントを得たということになっているので、ストーリー上では無理がないようになっています。


その4
原作とドラマでは、微妙に扱われているワインのヴィンテージが違う。
遠山一青が持ってきた2001 レザムルーズについては、上述しました。

ドラマの第一話で、Chateau Mouton (シャトー・ムートン)を飲んで、それをブラインドで当てる、という場面があるが、原作ではそれは1982年であるのに対して、ドラマでは1990年になっている。

でも、これは仕方ないのかもしれない。
もしも神咲雫が1982年の時点で4、5歳だとするならば、すでに2009年のドラマの時点では30歳を超えてしまっているからだ。本当ならば、1982という超ビッグヴィンテージの方がインパクトの強いストーリーになるのだが、1990年もかなりの良年なので、まあストーリー的に必ずしも無理という訳ではない。


まあ、こんな感じで、見ているだけでストレスが溜まったのですが、でも、来週も再来週も見てしまうと思います^^;
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by MusignyBlanc | 2009-01-22 01:06 | ワイン